時間配分
導入 5分
自己紹介 10分 → ここでコンピュータで鏡をいかにして計算するか?→実際の鏡とおなじ挙動ではないエッセンスを抽出しておこなっている。数学的な鏡と
ユークリッド 15分
課題1 10分 (幾何構造の分解)
双曲 20分
→ 反転計算ワーク 5~10分
球面 5分
球面体 5分
課題2 10分 (模様づくりなどはメイン フォールバック課題も用意したい)
→ 手書きはありかも
→ 現実でも、ネットでもいいので、パターンのある模様を探して、鏡映軸、回転軸、平行移動軸を見つけて書き込んだものを提出してください
質疑 10分
100 バッファ+10分
円弧をもった多角形
正多角形
正方形できるのはわかる
長方形でもできる
角度で辺の長さが違う
正多角形で始める
オマケ
正多角形から変形していくと
4よりおおきいものはない。
長方形でもできる
*たりてないもの*
ワークシート
ハイパボリックエッシャーセット
お絵描きツール
その他の有名なフラクタル
鏡無しのスライドはさしこんでおくとよい
円弧の話
直線が円になる話を差し込んでおく。
反転の性質とデモの順番は入れ替えた方がいいかもしれない。
矩形の色を合わせる
反転円と直線の色は変える
反転で写されたハンドルも描画しておいたほうがよい
ハンドルの色を
ハンドルの片方の色は変えた方がいい。
まとめスライドがない。
今日話したいこと
→今日はこういうことを話しました。
というスライドがほしい。
見ているページ数
デモがはいっていること
イントロ
27分 → 35分
タイトルにもあるように本日の内容は鏡映、鏡による作用です。
実は、ここまで紹介した私の研究や活動のベースとなる数学には鏡映があります。
鏡映、その法則性に目を向けてみたことはありますか?
今回の講義の目的の一つは、その法則に目を向けて理解できるようになること。
そして、それらの法則を利用して、自分の手で鏡映を用いたパターンデザインしてもらうことです。
法則性を見抜いたり、それを応用して何かを作ったりする力はきっと役に立つはずです。
今日は“鏡映のルール”を手がかりに、見え方が変わる体験をします。
- 見方:鏡映の“成功のサイン”を先に知る(部屋数/対称の捉え方)
- 実験:コンピュータを用いた実験により、鏡映の性質を体験する
- 創作:鏡映の組み合わせを用いて模様を捉え、実際に作ってみる
開幕用スピーカーノート(5分)
0:00 タイトル:今日は鏡映の見方・条件・創作まで一気通貫で体験します。
0:20 フック:二枚の鏡で“何個の部屋に分かれるか”を先に想像してみてください。
0:40 アジェンダ:見方→実験→創作。成功のサインを先に言語化します。
1:10 目的:観察・言語化・創作の3つを、各スライドで短く積み上げます。
1:30 期待値:最初の実験は「部屋数=2n」「正逆の像が交互」ここを見ます。
2:00 操作確認:ネット不調でも静止画で説明可、焦らず進行。
万華鏡が出す模様は鏡の配置方法で大きく変わります。
なんとなくきれいだな、幾何学的だな、と思うことがあっても、具体的にどのような法則性があるかまで知っているでしょうか?
そこには法則性が隠れていそうです。
その法則を解き明かしていきましょう
鏡、というと理科、物理の授業で扱うことが多かったかと思いますが、数学でも鏡映の性質は大きな役割を持っています。
鏡映の性質をおさらいしておきましょう。
鏡によって反射された像が目に入る図、これを見たことがあるかと思います。
入射角と反射角が等しく光が反射され、目に入る。
虚像の位置に物体が写って見えるのでした。
数学では鏡を対称軸にして、物体を等距離の位置に移す操作を鏡映変換と呼びます。
万華鏡では三枚の鏡を向かい合わせていますが、まずは二枚の鏡によってどのような
性質が現れるかを見てみましょう
複数枚の鏡を組み合わせることで。無限に像が移るという現象を観察したことがあると思います。その像をよく観察したことはありますか?
反射が繰り返されるので、その像は向きの順序が交互に現れることに注目してください。
w:400px はMarpのキーワードで画像の幅を指定
二枚の鏡を使ってみましょう。
こちらに鏡を用意しました。
ヒンジでつながっており、角度をつけて像を見ることができるようにしています。
鏡と鏡のなす角に注目して、その像を見てみましょう。
w:400px はMarpのキーワードで画像の幅を指定
映る像と鏡にはどのような関係性があるかわかるでしょうか?
鏡と鏡の間の空間が折りたたまれていることがわかるかと思います。
実験の見方:部屋数は 2n。像は正/反転が交互に現れる。
これを理想化したコンピュータのページを用意しました。
何枚の空間に折りたたまれるでしょうか?
中途半端な像が現れますが、ところどころ、きっちり部屋が分割されるようになります。
これはどのような時でしょうか?
全体で2PIになるかどうかをかんがえるとわかるはず
空間がきっちり分割されるときと中途半端に分割されるときが観察されます。
それでは、きっちりと分割されるときがどのような時になるか観察してみてください。
二枚の鏡がなす角をPI/n(1 < nの整数)とするとき、n個の空間に分割されます
ではnが無限でも…?nが1万とかになるとどうなのでしょうか?
PI/はどうでしょうか?1個の空間になるはずですが、
これでみたように、鏡の像をピッタリと作るには、角度に条件があることがわかりました。
となると、万華鏡の鏡の配置にも条件が必要だと思います。。
これでみたように、鏡の像をピッタリと作るには、角度に条件があることがわかりました。
となると、万華鏡の鏡の配置にも条件が必要だと思います。。
実際に(3, 3, 3), (2, 4, 4), (2, 3, 6)のパターンを試してみる。
これ以外のパターンはどうやっても綺麗なタイル張りにならない
それでは4本以上の場合についてみてみましょう。
先ほどと同様にデモを用意しています。
左のボタンで鏡の枚数を調整しピッタリ鏡張りできる条件を探してみましょう。
1/p + 1 / q + 1/ r = 1から導ける
鏡が4枚の時
すべての頂点の角度は2 / piです
鏡が6枚の時、正六角形を敷き詰めることができますが、各頂点で3回回転するので、左右非対称な図形はずれが生じます
万華鏡の仕組み、鏡でピッタリ敷き詰めるパターンをみてきました。
現実世界にも、この鏡張りの仕組みを用いて作られたパターンというのはいくつもあります。
いくつか紹介しましょう。
三枚の鏡、四枚の鏡の例を画像で列挙する
| 三角形(万華鏡) | Conway(オービフォールド) | 壁紙群(国際記号) | 代表タイル |
| ----------------- | ---------------- | --------- | --------------------------------------------- |
| (3,3,3)(正三角形) | ***333** | **p3m1** | 正三角形(蜂の巣格子)に沿う鏡映配置。([ウィキペディア][1]) |
| (2,4,4)(直角二等辺) | ***442** | **p4m** | 正方格子の鏡映をもつパターン。([ウィキペディア][2]) |
| (2,3,6)(30–60–90) | ***632** | **p6m** | 六角格子(正三角形/正六角形タイル)に最大の鏡映対称。([xahlee.info][3]) |
[1]: https://en.wikipedia.org/wiki/Orbifold_notation?utm_source=chatgpt.com "Orbifold notation"
[2]: https://en.wikipedia.org/wiki/Wallpaper_group?utm_source=chatgpt.com "Wallpaper group"
[3]: https://xahlee.info/Wallpaper_dir/c5_17WallpaperGroups.html?utm_source=chatgpt.com "5.A The 17 Wallpaper Groups"
ここまで、単純に鏡映で映すことでできる模様をみてきました。
実は、鏡映変換というのは、プリミティブな変換です。
鏡映変換を組み合わせることによって、平行移動や回転といった渡したになじみの深い操作を構成することができます。これらを合同変換と呼びます(距離を保つ変換)
【流れ(60–90秒)】
1) 合同変換=距離を保つ変換の基本は「鏡映」。平面の等長変換は鏡映の合成で表せる。
2) 平行移動:平行な2枚の合わせ鏡。2直線の間隔の“2倍”だけ、法線方向に進む。
3) 回転:交わる2枚の鏡。2直線のなす角の“2倍”だけ、交点を中心に回る。
4) 滑り鏡映:鏡映と、鏡線に沿う移動の合成。壁紙模様で多用。
※ 合成の順序は一般に可換でない。
- **滑り鏡映** これは合同変換の項目にいれると誤解を生む可能性がある
ある直線への鏡映と、その直線に沿う移動の合成。模様生成で頻出。
現実世界にはもっと色々な鏡があると思います。
たとえば、曲がった鏡はどうでしょうか?
ステンレスのボウルや、クリスマスオーナメントなど、反射する球状の物体を目にすることはあると思います。これらを考えてみましょう。
曲がった鏡の例ボウルやクリスマスオーナメントの画像を貼る
これで数学的に定義された円に関する鏡映変換を手に入れることができました。
では軽く計算して、円の反転によって図がどのように映るのか試してみましょう。
配布済みの紙に描かれた図を中心の円に関して反転させてみましょう。
そして、反転前と反転後の図形を観察してみてください。
点と点の距離や角度に注目してみるのがよいでしょう。
(角度の観察しやすい五角形、簡単な直線)
ここまで見てきたように、円の反転が絡んだ図を手で計算して描くことは非常に大変です。コンピュータによる計算は非常に効果的です。コンピュータによってみることのできるようになった図というのは色々あります。また、それをモチーフにした芸術作品というのも色々でてくるようになりました。
タイル張り以外でいうとフラクタル図形など
壁紙群の操作はすべて直線鏡映を合成して得ることができます。
円反転も同じようなことができます。ただし、円反転は等角写像であり、ユークリッド距離を壊してしまうので通常の意味での対称性は壊れます。
しかし、角度は保たれるので、”交わり方”は保存されます。
(タイルを展開させていく図を見せる)
なんとこれらのタイルは無限に広がるのではなく、円周上に収束していくことがわかります。この端の方がどうなっていくかというと、どこまで拡大してもタイルが続いていくことをみることができます。
これはまさにコンピュータだからこそできる図です。
これまで、世界は平面上でどこまでも続いていたのですが、
世界が円盤になりまりました。
この円盤の世界をこれから双曲幾何学の世界とよびましょう。
この図は双曲タイリングと呼ばれています。
ところで、円の場合も直線の万華鏡の場合と角度は同じなのでしょうか?
実は、(3, 3, 3), (2, 3, 6), (2, 4, 4)
では正しくタイル張りすることができません。
もし「三本の円」を自由に取り、うち一つ以上が測地線でない(境界に直交しない=ハイパーサイクル等)なら、曲線三辺で囲まれた閉領域を描くこと自体は可能です。ただしそれは双曲三角形ではないし、三鏡の反射群による標準的なタイル理論の対象にもなりません。円板モデルで測地線は「境界に直交する円弧/直径」に限られるためです。
これは意図的にぼかす?schottky linkでは円はどこでもおけるのでハイパーサイクルになる
では、今回も実験してみましょう。
円の三角形は暑かったことがないと思います。
今回は二つの角度を固定しています。
のこり一つの角度だけが動くように固定しているので、
角度を調整して、綺麗にタイル張りできる部分があるか探してみてください。
3, 3, 4の時、(3, 3, 5), (3, 3, 6) ...
ところで、お気づきでしょうか?
先ほどから、三角形と呼んでいる図形の内角の和は180ではないのです。
こうした模様を描いた画家にM.C.エッシャーがいます。エッシャーのだまし絵で有名な画家です。驚くべきことにこの図は手で制作されています。
どのタイルを変形したモチーフとそれを反転したモチーフでうまくタイル張りされています。
こうした数学の概念をアートに落とし込んだ有名な作家のひとりにエッシャーがいます。
エッシャーといえばだまし絵のイメージですが、今日お話ししたような、幾何学を用いた作品を多く描いています
先ほど、鏡映変換の組み合わせで、平行移動や回転といった基本的な操作を合成できると書きましたが、円に関する鏡映変換も同じようにいくつかの鏡映を合成することによって、
平行移動、回転、を作ることができます。
これは双曲幾何学における合同変換です。
つまりは、双曲幾何学においても、プリミティブな操作として鏡映変換が現れるということですね。
さて、ここまでが三角形内閣の和がキーとなる世界を見てきました。
私たちになじみの深い内角の和がPIの世界
円盤に囲まれた、三角形の内角の和がPIより小さくなる世界
じゃあPIより大きい世界というのはあるのでしょうか?
あります
しかし、これは平面上では実現することはできません。
ではどうすれば見れるか、というと、球面です。
球の上では三角形の面積の和がPIより大きくなるという現象が起こります。
## 三次元空間の万華鏡
<!--
ここまで、二次元の図を扱ってきましたが、三次元のタイル張りを考えてみましょう。
たとえば、四枚の鏡で囲まれたものを考えて、これを三次元にしてみます。
しかし、万華鏡の領域は空間すべてに広がってしまい、私たちは外から観察することができません。
(立方体が鏡映変換で空間全体を埋め尽くす図)
骨組み、辺だけを描画する方法もありますが、
ここまでくると一番最初に出したAhara Araki Fractalの仕組みがわかります。最初に出したこの立体はその表面を球で削られている
→円の鏡映を三次元に拡張して球に関する鏡映を考えよう